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1. 外貨潤沢でもドン安進行の理由：ドル需要と市場心理が影響

　外国為替市場において、ベトナムの通貨ドンは米ドルに対して下落傾向が続いている。外貨供給は輸出超過や海外直接投資(FDI)、送金の増加により潤沢にあるものの、短期的なドル需要の増加、金利差の拡大、海外投資家による資金流出に加え、「ドル高が続く」との見方が企業や市場関係者の間で広がっていることが、ドン安の主な要因とされている。

季節要因によるドル需要の増加

　8月は原材料の輸入や国際決済が集中する時期にあたり、企業によるドルの先回り購入が活発化する。市場全体では外貨供給に余裕があるものの、実際の資金供給が追いつかず、一時的にドルの流動性が逼迫し、ドルの上昇を招いている。

外国人投資家の売り越しと資金流出

　株式市場では、外国人投資家による売り越しが続いており、これに伴い資金をドルに転換して国外へ移す動きも加速している。このことが市場のドル需要をさらに押し上げている。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞(記事本文には、直近1年のベトナム通貨ドンの対米ドル為替レートの推移のチャートあり)

ベトナム企業詳細調査レポート

2. 週間☆アクセス数上位ランキング！（2025年08月18日～2025年08月24日）

　このコーナーでは、前週のベトナム株・経済情報（www.viet-kabu.com）のアクセス数の多かった記事を紹介いたします。

1 位 FPT情報通信、7か月の事業別業績速報　2025年業績目標を下方修正

　国内IT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)の2025年1～7月期業績(速報)は、売上高が前年同期比+11.2％増の38兆0910億VND(約2130億円)、税引前利益が同+18.4％増の7兆1960億VND(約400億円)で増収増益だった。

　同期の税引後利益は同+19.9％増の6兆2040億VND(約347億円)、親会社株主帰属利益は同+20.1％増の5兆1470億VND(約300億円)、1株当たりの利益(EPS)は同+19.1％増の3033VND(約17円)。

　部門別の1～7月期売上高および税引前利益は以下の通り。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞


2 位 FPT情報通信、国内最大のラック数を誇るデータセンターを稼働

　国内IT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は20日、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)でデータセンター「FPT Fornix HCM02」の稼働を開始した。

延べ床面積1万m2、3600ラック

　「FPT Fornix HCM02」は8階建て、延べ床面積1万m2、3600ラックで、国内最大規模となる。

　ラックとは、サーバーやネットワーク機器、ストレージなどを収納するための筐体を指す。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞

3. 今週の銘柄評価

　Yuanta証券(Yuanta Securities)は携帯電話小売・家電小売最大手でミニスーパーを拡大中のテーゾイジードン投資[MWG](Mobile World Investment Corporation)株の理論株価を1株7万5100VND(約420円)と評価し、投資評価を「買い(Buy)」とした。

　Yuanta証券によると、MWGは以下の要因により今後も前向きな成長が見込まれている。

◇食品販売店チェーン「Bach hoa XANH」(バックホアサイン＝グリーン百貨店)が引き続き売上高を牽引し、市場シェアの拡大を進めている。
◇携帯電話やタブレット、ノート型パソコンの販売に特化した携帯端末販売店「thegioididong.com(テーゾイジードンドットコム)」、◇アップル(Apple)製品専門店「トップゾーン(TopZone)」、◇テレビや冷蔵庫、洗濯機等の家電製品の販売に特化した家電販売店「Dien may XANH(ディエンマイサイン＝グリーン家電)」は、特にアフターサービス分野で成長の主要な原動力となっている。
◇医薬品小売チェーン「アンカン(An Khang)」は損益分岐点に近づいており、黒字化が視野に入ってきた。
◇インドネシアで展開する家電小売店チェーン「エラブルー(Era Blue)」は、店舗拡大を加速しており、2027年の新規株式公開(IPO)を目指している。

　同社は2026年から2030年にかけて利益の飛躍的な成長を目指しており、その戦略の柱として「量より質」への転換を掲げている。また、2030年にはICTおよび家電小売部門のIPOを計画しており、事業ごとの企業価値最大化と柔軟な成長戦略の実現を図る方針だ。

4. 編集後記

　スタッフが週替わりでお届けする「編集後記」。
　今週はベトナム人スタッフのNguyen Nhanより、「ベトナムの伝統的な石臼」のお話です。

　現代の生活は便利になり、市場にはすでに挽かれた米や豆などの粉がたくさん並んでいます。けれども、私の心には、昔ながらの石臼で粉を挽く光景が今も鮮やかに残っています。私にとって、懐かしく、温かい思い出です。

(インターネットからの画像)

　私の家には、ずっと昔からある石臼があります。幼いころの記憶は、この石臼とともにあります。祖母は、収穫した米や豆をこの石臼で挽いて、バインセオ(bánh xèo) やいろいろな料理を作っていました。祖母が手を休めると、私はその隙に石臼の柄を回して豆を粉にして遊んでいました。重い石臼なので少ししか回せませんでしたが、とても楽しい時間でした。

　家族だけでなく、近所の人も材料を持ち寄って一緒に挽いていました。旧正月の時期には、人々が米や豆などを挽きにやってきて、家がにぎやかになります。皆、挽いた粉で作った手作りの料理を、お礼として家に持ってきてくれます。粉を挽くのは時間がかかりますが、できあがったときの笑顔は格別です。

　経済が発展するにつれて、家では石臼を使わず、粉が必要なときは店に持って行って挽いてもらうようになりました。石臼は家の片隅に静かに佇んでいますが、故郷に帰るたびにその姿を見ると、幼い日の思い出がふと蘇ります。家族は今も、この石臼を大切に残していることを喜んでいます。

　昔、石臼はベトナム人の勤勉さと知恵の象徴でした。何世代も経った今でも、その素朴で丈夫な姿は特別な魅力を失っていません。石臼は単なる道具ではなく、伝統文化の象徴として、現代のカフェや日常生活の中にも見られ、昔の価値をそっと思い出させてくれます。

photo by Nguyen Nhan
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今回は、ここまでです。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございます。
今後とも、「ベ トナム株・経済情報」をよろしくお願いいたします。